Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
そして相川良之介にも。相川良之介の聰明さは、半分泥の中にうずまりながら泥からぬけ出した上半身で自分にも理性を求めてもがく人間の精神の野性がかけていた。
伸子はその質問に自分の文学上の疑問もこめた心で、
「吉之助さんのような人でも、新劇へうつるということはできないものなのかしら」
とたずねた。
「気分では、いっそひと思いにそうしたら、さぞサバサバするだろうって気がします。しかしどうでしょう」
「歌舞伎のひとは、子役からだからねえ」
身についた演技の伝統のふかさをはかるように素子が云った。
「あなただって、そうなんでしょう」
「初舞台が六つのときでしたから」
吉之助は考えぶかい表情で、
「西洋の俳優も、芸の苦心はいろいろあるでしょうが、わたしのような立場で苦しむことはないんじゃないでしょうか」
と云った。
「古典劇が得意で、たとえばシェークスピアものをやる人だって、現代ものがやれるんでしょう。日本の歌舞伎と現代もののちがいみたいなちがいは、よその国にはなかろうと思うんです」
「考えてみると、日本てところは大変な国だなあ」
からのパン皿のふちへタバコをすりつけて消しながら素子が云った。