Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
数年前行われた小枝の姉の結婚式も、華美だった。実業家である小枝の父親も派手にすべきときには思いきって派手にする性格と手段をもつひとだった。さぞや賑やかなことだろう。伸子が外国へ出発するというだけでさえ人のゆきかいで廊下が鳴るようだった情景を思って、伸子は枕の上でほほえんだ。佐々のうちとしても保がいなくなってお嫁さんというものをもらう息子は和一郎一人になってしまったのだから、萌黄のユタンのかかった箪笥でも長持でもドシドシかつぎこめばいい。なかばユーモラスな感情で伸子は親たちの派手ごのみを肯定した。
和一郎と小枝が結婚するようになったということは、伸子としてとうとう、と思えることだった。和一郎はもう何年も従妹の小枝がすきで、伸子がソヴェトへ立って来る前の日の晩、伸子をわざわざ暗い応接間へひっぱりこんで、彼の気持を多計代につたえておいてほしいと言った。小枝は、華麗な少女で、樹のぼりが上手という風な自分の知らない活気と生の衝動にみたされている娘だった。多計代は、和一郎が従妹にあたる小枝のところへ幾日も泊っていたりすることについては、和一郎を信用して黙認して来ているのに、伸子が彼の決心を伝えたとき、そんなことを言っていたかい? とそのひとことに明瞭な否認をこめて伸子を見た。