Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
「そう思える?」
二人の前に贅沢らしく照り輝やいているその公園通りのどこの隅にも、きょうがメーデーだという雰囲気はなかった。伸子たちが、公園裏の陰気な広場で目撃して来た光景は、夢魔にすぎないとでも云われかねない様子だった。
伸子と素子とは、くたびれて、がっかりした気持で、おそい昼飯にホテルへ戻った。そうやって歩いて来てみると、ワルシャワのステーションから伸子たちをのせて来た馬車が、雨の中を街まで出て大まわりして来たのがわかった。ステーションから灌木の茂みの見える小公園を直線にぬけると、ついそこがホテル前の広場だった。
「これだからいやんなっちゃう! あの爺、あらかた街をひとまわりして来てやがる」
「いいじゃないの。どうせ街見物なんだもの」
いちいち腹を立てていたら、これから言葉もわからない国々を旅行するのに、たまったものではない、と伸子は思った。
「抜けめない旅行をしようなんかと思って、気をはるの、わたしいや。どうせ土地の連中にかないっこないんだもの」
「ぶこはいい気なもんだ。――おかげでわたし一人がけちけちしたり気をもんだりしてなけりゃならない」
ひる休みのあと、伸子と素子とはもう一度ホテルを出た。