Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
歩道に沿って、一つのベンチも置いてなかった。そこは歩くしかないようにこしらえられている見事な公園通りなのだった。公園のいい景色を眺めながら、陽にでもあたってベンチで休みたいと思う通行人はワルシャワではたった一日しか逗留しない旅客である伸子たちが今そうして歩いているように、自動車なんかにのらないのだ。タクシーのつかまえようがわからない人でもあるのだ。どこかで足を休ませたいのを、こらえて歩いているうちに、この公園通りの見てくれのいい壮麗さが段々伸子の癪にさわって来た。伸子のその気分が通じたように、素子が歩道の上で立ちどまった。
「この調子じゃ、どこまで行ったって結局同じこったね」
どこかへかけて一服したそうに素子もぐるりを見まわした。
「――ベンチぐらい置いたってよかりそうなもんだのに――薄情にできてる」
仕方なく二人は、ずっとのろい歩調で歩きつづけた。
「変だなあ、いくらなんでもあれっきりのメーデーなんてあるもんかね」
はっきり目当てもないままに素子も伸子も心のどこかで、メーデーらしいメーデーの行進をさがしてここまでは足早に来もしたのだった。
「はじめっから分散デモだったんだろうか」