Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
厚かましいやりかたにはちがいないけれど、いちいち、それを気にしていちゃ、御自分が愉快になるひまがなくなってしまう」
「伸ちゃんは、あいかわらずだ」
まるで、一年半わかれていても、そういう伸子を見出すのを待って来たとでもいうように、多計代は先入観でかたまった声を出した。
「伸ちゃんがエゴイストだってことはわかっていますよ」
苦笑してだまっているために、伸子は努力した。そして心のなかに思うのだった。四十日も、船のなかでごちゃごちゃして来たのがわるいのだ。みんなが少し、神経をどうかしている。早くパリへ行くことだ。そしてそれぞれに気をちらすことだ、と。
伸子はつや子をつれて別に部屋をとり、そちらで眠るつもりだった。けれども、多計代の主張で、夫婦の寝室にもう一台寝台がはいり、伸子もそこへ泊ることになった。
日本浴衣のねまきに着換えた多計代は、煖炉棚の上においてある錦のつつみものに向って、よく響くかしわでを二つうちならした。それから、寝台にはいった。伸子は、気まずい思いでその儀式の終るのを待って、多計代のわきへ横になった。母のもう片方の側には、つや子がくっついた。