Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
多計代のいうなりにする、ということの中に何か泰造の言葉にあらわさない保への供養があるのではないだろうか。ナポリで、上陸しない船の上から街の灯を見て泰造が泣いた、というみんなの話は、伸子の胸をさしとおした。みんなの病的に過敏にされている感情と、泰造の神経のつかれが感じられて。
話したかったことを、ともかく話しきったという様子で、タバコをふかしはじめた和一郎に、長い沈黙ののち伸子はぽつり、ぽつり云った。
「何しろ、うちはむずかしいうちなのよ。小枝ちゃんだって、姪とお嫁さんと、こうまでちがうもんだっていうことは思わなかったでしょう? 佐々のうちには、たしかに特別つよく特徴があらわれているんだけれど、つまりは日本の旧い家族というものの考えかたよ、ね。それに日本の中流というものの経済的な貧弱さよ、ね」
デュトに住んでいる画家の磯崎恭介とその美しくて忍耐深い妻の須美子が、故国の親との間にもっている辛い関係にしろ、佐々のうちでもめている事情の別の一面なのだった。
「外国へ出ると、誰でも一応日本のいろんなことから自由になったように思うし、自由にしていいはずだと思うから、矛盾がひどくわかって来るんだわ。