Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
八
多計代は、「彼」が――保の霊が母をまもった、といおうとしている。アパルトマンに引越して来てから、白地錦襴の包みものは、夫婦の寝台の枕元の台の上におかれているのだった。
八
伸子のまじめな心配は、パリから数千キロはなれた満州とソヴェトとの国境にかかっている。伸子のてぢかななやましさと混乱は、ブルヴァール・ペレール四七番地のアパルトマンにあった。
日曜日で通い女中のマダム・ルセールが休み、伸子が夕飯の支度をした日だった。その晩は泰造もいた。食後、泰造と多計代との間に和一郎の話が出た。和一郎はその日も小枝と一緒に来て、旅費の処置について母の返答をもとめたのだそうだった。この前、和一郎がおこった日も、多計代は、旅費の処分という点ははっきりさせずに、和一郎が我ままを云って乱暴したという風な面を主にして泰造にその日のことを告げていた。きょうも、多計代は、
「ほんとうに、あのひとたちったら、何と考えているんだろう」
相談というよりは、泰造に自分の不服を訴える口調だった。
「つれて来てもらったおかげで、パリだって見ているんじゃありませんか。自分たちの力で何ができるというんだろう」