Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(七)平次女難

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme

Aozora Bunko

四

「お前が一番怪しいと思うのは誰だい」

「ヘエ――」

「遠慮なく言うがいい」

「壁へ穴をあけて、朝夕覗いている人間が一番気になりますよ、親分さん」

「…………」

平次はそう言われて二軒長屋の境の壁を見ました。なるほど多の市の部屋の柱寄り、ちょうど畳から五六寸上が、向うから壊されたように、ポコリと土が落ちているのです。

「その小判を入れた竹筒の長さはどれほどあったんだ」

「置床の端っこの臍へ立てて、上の梁へはめ込んだんですから、七尺はありましたよ」

「目方は?」

「五貫目もあるでしょう」

それでは女子供には相当の荷物です。

四

平次はその足ですぐ壁隣の相長屋、後家の内職で細々と暮しているお角という大年増の家を覗きました。

「親分さん、銭形の親分さんでしょう。よく存じていますよ、隣の蛸市が、私が一番怪しいって言ったでしょう、五貫目もある小判入の柱が私に持てるか持てないか、考えても見て下さいよ、ね、親分さん」

顔を見ると、もう立て続けにまくし立てます。三十七八の青白い女、どこか病気でもある様子ですが、昔は相当に踏めたらしい眼鼻立ちで、さわやかに動く舌の根はどうも素人育ちではありません。