Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme
四
少し下脹れの可愛らしい顔が涙に濡れて、紅い唇のワナワナと顫ういじらしさは、どんな剛情な平次も、折れるだろうと思われましたが、頑固に眼を閉じた平次は、それをむしり取るようにもぎ離して、
「八、ガラッ八は居ないか」
縁側の方へ声を掛けるのでした。
「オーイ」
ノソリと立ったガラッ八も、拳固でしきりと涙を拭いております。
「気の毒だがお静をお袋のところへ連れて行ってくれ。十日経ったら、改めて平次が伺いますって、いいか」
「御免蒙ろう」
「何だと?」
「そんな使いは御免蒙ろうよ」
「馬鹿ッ、突っ立って物を言う奴があるか」
「立とうと坐ろうと勝手だ。そんな貞女を追い出して、あの雌猫の化けたような女と一緒になるつもりだろう。そんな野郎はもう親分でも子分でもねえ」
「野郎と言ったな。馬鹿ッ」
「馬鹿の親分は野郎でたくさんだ」
「畜生ッ、言やがったな」
平次は思わず煙草盆を持って立上がりました。
「あれッ、八さん、お前さんの方が引っ込んでいてくれなきゃア、――どうせ私が悪いんだから」
お静は二人の間に割って入りました。
四
「親分、可哀相じゃありませんか、お静さんは泣きながら行きましたよ。