Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme
私はちょうど横町で、バッタリ出くわすと、お静さんを劬め劬め行った八さんが、往来で私を捕まえて、そりゃ変な事ばかり言うんですもの、間の悪さといったら」
お楽はそう言って銚子を取上げました。お静が出かけた後、邪魔する者もない心持で、晩酌の相手までしていたのです。
「お前が来てから、お静の調子がすっかり変ったのさ。気の毒だが、御用聞の平次に、妬く女房があっちゃお上の御用が勤まらねえ」
「でもねえ、あんなに騒がれて一緒になった二人じゃありませんか。私なんか、遠くから見ていてどんなに羨ましかったことか」
お楽はそう言って、円い顎を襟に埋めました。銚子を持った華奢な手が少し顫えて、海千山千といった妖婦肌の女にしては、変に亢ぶる感情を押えきれない様子です。
「お前も一つやるかい、お楽」
雫の滴れそうな猪口を、お楽は小さく両手で受けてニッコリしました。妙に脂の乗った艶かしさは、嫌な言葉ですが「ニンマリ笑った」と言うのが一番適当しているでしょう。
お静の着替えには相違ありませんが、お楽が着ると、銘仙も木綿も粋になるのでした。洗い髪に、赤い赤い唇、猪口に触るとそのまま酒も紅になりそうな、それは何という官能的な魅惑でしょう。