Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme
新助は長年の米屋奉公で鍛えて、身体こそ立派ですが、人間は少し無愛想で、何となく臆病らしいところさえあります。
「これが曲者の捨てて行った脇差かい」
「ヘエ」
平次は血刀を取上げて縁側へ出ました。朝の光にすかして、切っ先から柄、目貫まで、丁寧に調べておりましたが、何を考えたか、風呂敷を借りてそれを包むと、
「この脇差はちょいと借りて行くぜ」
そう言って、今度は念入りに部屋の中を捜し始めました。
押人の中、箪笥の上、脱ぎ捨てた着物、一つも平次の目を脱れるものはありません。それが済むと、縁側へ出て、便所の手水場の下をツクヅク眺めております。曲者が何か洗ったものか、そこの植込みや砂利は、ほんの少しですが、薄くなった血が流れております。
「親分、見当は?」
ガラッ八は心配そうに後から尾いて来ました。
「まるっきり解らないよ」
「ヘエ――」
「この家から人間を一人も出さないように手配してくれ。俺はちょいと出て来る。それから新助はなるべく一人でそっとしておく方がいいぜ、手負いは気が立っちゃ悪い」
「どこへ行きなさるんで――」
ガラッ八は追っかけて訊きました。
「まだ飯も食わないじゃないか」