Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(七)平次女難

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme

Aozora Bunko

二

「ともかく、御新造の様子を見たいが――」

「ヘエ、どうぞ」

源吉は不承不承に案内してくれます。恋女房のもがき死に死んだ遺骸を、あまり他人の目に触れさせたくなかったのでしょう。

大地主といっても、しもたや暮しで、そんなに大きな構えではありません。元鳥越町の甚内橋袂に、角倉のある二階建、せいぜい間数は六つ七つ、庭の広いのと、洒落た離屋のあるのと、木口の良いのが自慢――といった家です。

主人の源吉は三十そこそこ、歌舞伎役者にもないといわれた男振りと、蔵前の大通達を圧倒する派手好きで、その頃江戸中に響いた伊達者でした。小唄、三味線、雑俳、楊弓、香道から碁将棋まで、何一つ暗からぬ才人で、五年前先代から身上を譲られた時は、あの粋様では丸屋の大身代も三年とは保つまいと言われたのを、不思議に減らしもせず、あべこべに殖やして行って、世間をアッと言わせました。

その算盤を預かったのは番頭の総助、四十前後の中年者で、丸屋の身代を貧乏揺るぎもさせないのは、この地味な忠義者の手柄のように、世間では噂しております。

二

奥の一と間には、嫁のお雪の死骸が、まだ蒲団の上に転がされたままになっておりました。