Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.696 Zeichen · 310 Bildschirme
――吉三郎とお松はツンツンしていたが、最初から疑いもしなかったよ。主人はお越を庇っていたが、あれに気のつかなかったのは、俺の大手ぬかりさ」
「…………」
「幸三郎を川へ突飛ばした時は、お越も細工がうまくなっていた。赤い着物を羽織って、お光かお楽の風をし、子供を突飛ばして甚内橋を渡ってこっちの岸へ帰った。――そこまで何でもないが、――子供を川に突落したのは、さすがに心がとがめて、急に舟を出して救う気になった。――これは、お越の気性ではありそうなことだ、あの女は根が悪人じゃなかったから。――あの晩は雨模様で、六つ半(七時)というと恐ろしく暗かった。川の向う岸の水音を聞いただけで、舟を出すような晩ではなかったし、川の中の子供を何の苦もなく救い上げたくせに、突飛ばして甚内橋を渡ってこっちへ逃げて来た人間を見ないのはおかしい」
「…………」
「あの時は、お越を挙げようかと思ったが、どうも証拠がアヤフヤだ。付け木に書いた下手な字も、お越は全くの無筆のふりをしていたので、手のつけようがなかった。奉公人下女端女は、なまじっか字なんか知っていると、主人や朋輩にイヤがられるという事に気のついたのは、ずっと後の事だ」