Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme
八
「いいえ」
「今晩を越すと危ない、どんな事をしても見付け出さなきゃ」
と平次。
「もう一度入って見ましょうか」
「いや、手前は叔母さんをつれて石原の兄哥のところへ行ってくれ、それからまた引返すんだ――物置の後ろに隠し木戸がある、内からなら楽に開けられる」
「大丈夫ですか、親分」
「心配するな」
平次はそのまま家の中へスルリと飛込みました。
ガラッ八は平次に教わった木戸を見付けて、駕籠の中の叔母をつれ出しました。
が、その叔母を石原までつれて行くのに、ガラッ八はどんなに骨を折ったことでしょう。一刻もかかって、叔母を安全なところへ届けて、さて引返す段になると、利助の子分は一人残らず出払って、八五郎に手を貸してくれる者もない有様だったのです。
八
平次は女姿のまま、暗い納戸に身を潜めました。家の中の騒ぎは容易に鎮まりそうもありませんが、半刻(一時間)ほど経つと、雨戸をバタバタと締めて、厳重に戸締りをしている様子です。
女どもは騒ぎ疲れて寝てしまいました。不思議なことに、これほどの騒ぎにも、男が一人も顔を見せないのは、一体どうしたことでしょう。
どこやらで釘を打つ音が聞こえます。