Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme
三
「…………」
「俺はお上から十手捕縄を預かる人間だ。世上の揉事や、慾得ずくの話なら乗出さないが、三百両は何といっても大金だ。盗賊の訴えがあれば捨てておくわけに行かねえ」
「…………」
「だがな、八、手前が身投げを助けて、五両で命を買った女が、真当にあの娘なら、話はなかなか洒落ているぜ。俺の代りに行ってみる気はないか」
「ヘエ――」
ガラッ八はつままれたような心持でした。が、娘の正体を突き止めて、どんな顔をするか、見てやりたくないでもありません。
第一、紛失した三百両を捜し出して、あの娘の前へ積んでやるのは、いつぞやの晩、五両一分二朱六十八文の金をやった時よりも、もっとよい心持になれそうな気がしたのです。
三
鳥越の平助店は、袋路地の別世界を形成した、総後架の前の四軒長屋でした。
路地の外に頑張って、しばらく様子を見ていると、鉄砲笊を担いだ屑屋が一人、何にも言わずにノソノソと入って行きます。多分、この路地の中に住む店子の一人でしょう。
「ちょいと、待ってくんな」
ガラッ八は呼止めました。
「ヘエ、ヘエ、何かお払いでも――」
四十年配の少し世の中を茶にしたような髯面が、それでも慇懃にガラッ八の前へ小腰を屈めました。