Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme
八
「それじゃ、兄哥、これほどまでに頼んでもか」
「知れた事を言えッ、この女は近頃の大物だ。手前などに横奪りされてたまるものか」
「えッ、聞分けのない。笹野の旦那のためだ」
飛付くようにお吉の縄尻を引ったくって、急しく解きにかかると、
「何をしやがる」
利助は年甲斐もなく、平次へ武者振り付きます。
「兄哥、勘弁してくんな」
身体を捻った平次、よろめく利助の後ろから、力任せに突き飛ばすと、一とたまりもなく道端の濠の中へ。
「あッ」
折からの上汐、あぶ、あっぷとやる利助を尻目に、
「詫びは後でする。兄哥勘弁してくんなよ」
お吉を促して元来た道へ、平次は飛ぶがごとく取って返します。
八
平次が利助を追って駆け出した後――。
笹野新三郎は下総から帰って来ました。虫が知らせるというものか、妙に里心が付いて帰って来てみると、ちょうど下総の知行所へ急使を立てたばかりというところ、家の中は煮えくり返るような騒ぎです。
「お国や奉公人達から、いろいろ話を聞いて、驚きに驚きを重ねていると、先刻水天宮様からぼんやり帰って来た勇吉が庭口からヒョックリ顔を出して、
「旦那様、今思い出しましたが、水天宮様の水茶屋へ、お静さんを誘い入れた男が判りましたよ」