Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme
銭形平次捕物控
一
一
石原の利助が大怪我をしたという噂を聞いた銭形の平次、何を差措いても、その日のうちに見舞に行きました。
同じ十手捕縄を預かる仲間、昔は手柄を張合った気まずい仲でしたが、利助も取る年でいくらか気が挫けた上、平次の潔白な侠気が、何より先に、娘のお品を動かして、今では身内のように付き合っている二人だったのです。
「兄哥、災難だったそうだね。一体、どうしたことなんだ」
案内されて、中へ通った平次、お品の勧める座蒲団を押やって、利助の枕元に膝行り寄りました。
「平次兄哥か、わざわざ有難う。なアに、何でもありゃアしない、言わば、俺が間抜けなんだよ――」
妙に苦い口調で、利助は半面晒布で包んだ顔をねじ向けました。
「眼をどうかしたっていうじゃないか」
「それがこうなんだ、――昨夜、もう蚊もいないし、涼しくて良い心持だから、縁側へ籠枕を出して、無精なようだが、ついウトウトとやると、いきなりハッと眼へ来たものがある」
「ヘエ」
「眼を開いていりゃア、間違いもなく眇目にされたが、幸いつぶっていたから、眉から瞼へかけて恐ろしい傷だ。球も少しはやられたかも知れないが、白眼だから、傷になっても、見えなくなるような事はあるまいと外科は言うよ」