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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九)不死の霊薬

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme

Aozora Bunko

二

「そう言えばそうかも知れませんね」

「どこの家でも、娘に男があって逃げたと思い込んでいるから、世間体を憚って表沙汰にはしないそうだが、八百徳の主人は、どうも自分の娘も消えてなくなりそうで心配でたまらないと言うんだよ」

「なるほどね」

「そこで手前へ頼みというのは――」

「そのお仙とかいう娘に、虫が付いてるかどうか嗅ぎ出して来いというんでしょう」

「そんな気障な用事じゃない。娘の身持は八百徳の主人が引受けるって言うから、差し当りそれを信用するとして、手前はソッと嫁入りの行列に蹤いて行って、一と晩見張っていさえすりゃいいんだ」

「なるほど、こいつは、嫌な役目だ」

「何だと、八」

「智恵も銭も要らねえ代り大した辛抱役だ。花嫁に蹤いて行って、三三九度から、床盃まで見せられた日にゃ、全く楽じゃないぜ」

「贅沢を言うな」

「これでも独り者ですぜ、親分」

「独り者だから、そんな場所によく眼が届くんだ、役不足なんか言っちゃならねえ」

「へッ、助からねえな」

ガラッ八は文句を言いながらも、頭の中では、その晩の冒険に対する、いろいろの計画をめぐらしておりました。

二

日本橋の十軒店から神田の末広町まで、自動車を飛ばせば十五分くらいで行ってしまいますが、昔の花嫁の行列はそんな手軽なわけには行きません。