Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme
四
場から逃去ったものであろうという風に解釈されました。
がしかし、翌る日この旨町役人から、姫路藩の江戸御留守居に届出ましたが、「当藩には左様な者はござらぬ」というけんもほろろの挨拶です。三十一年前にはと押して訊くと、三十年五十年前のことは、江戸屋敷では相解り兼ねるという取りつく島もない返答でした。
結局藤枝蔵人は斬られ損になり、町内の人達の世話で、葬儀万端済ませました。その後生前あんなに昵懇にした、光川左門太はフッツリ姿を見せず、佐々波金十郎だけ足繁く入り込むようになりました。もっとも夜分だけは隣の女隠居が来て泊ってくれますが、身寄りも国元もない藤枝家へ、進んで世話をしようと言うほどの篤志家もなかったのです。
四
「私には腑に落ちないことばかりでございます。親分のお力で、何とかはっきりさして下さい。敵を討たれたなら、討たれたであきらめますが、後ろ袈裟に斬って逃げる敵が憎うございます」
こう、お礼が銭形平次に訴えたのは、葬い万端済んでから三日目でした。
「なるほど少し変だが、――御法度とは言っても、親の敵討はお上でもお目こぼしだ。次第によっては御褒美が出るくらいのもの、町方の岡っ引が飛出したところで、物笑いになるばかりじゃないかな」