Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme
三
大舟町市兵衛が判ったにしても、この後の五文字「百四十四夜」は何の事やら少しも判りません。
お品は次の間へ行って、お静と女らしい細々とした話に耽っておりました。
三
ガラッ八の八五郎は、その日の夕方ヘトヘトになって帰って来ました。
「小舟町には市兵衛も二兵衛もありゃしません。ああ草臥れた」
「大舟町を小舟町と判じたのが無理かも知れないよ、――とんだ骨折りだったね、お隣から貰った柏餅があるから、二つ三つ押し込んで、晩飯の出来るまで待つがいい」
平次はツイ腹の中の親切の地を出して、ガラッ八のためにお茶を淹れてやりました。
「有難いね、なるほど今日はお節句だ」
八五郎はあわてた恰好で柏餅へ手をやります。
「どんなに腹が減ったか知らないが、右と左へ柏餅を持って、チャンポンに食う人間はないぜ」
と平次。
「餡と味噌との食いわけだ」
「呆れた野郎だ。――柏の葉っぱごと食わないようにしろ」
平次はそう言い捨てて、お品の方へ向き直りました。
「何を考えていたんで? 親分」
温い茶をガブリとやって、ガラッ八もその中へ割込みます。
「百四十四夜という文句を考えているんだ、どうも解らねえ」