Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme
二
「そんなものが居てたまるか、馬鹿野郎。確りしろ、みんなお前の臆病がさせたことだ」
小田島老人はまるで相手にしません。
「そう言ったって、途中でブッ倒れずに、ここまで辿りついたんだから、少しは褒めてやって下さいよ。背中に大事なお主がいらっしゃると思って、一生懸命気を張り詰めたんだ。ね、そうじゃありませんか」
「目の廻しようを自慢するんじゃあるまいネ、呆れた野郎だ。このうえ若様の御容体が悪かったら勘弁しないぞ」
「ヘエ――」
この騒ぎの中へ、主人笹野新三郎と、妻のお国は相前後して帰って来ました。
二
与力笹野新三郎一家に対する不思議な祟りは、これをキッカケに、執念深く繰り返されました。
倅の新太郎があの晩から虫を起して、夜もおちおち眠れない有様。若い母親のお国の心労は一と通りではありません。
その晩も漸く新太郎を寝かし付けて、さて雨戸を締めようとすると夜更けまで開けておいた窓の障子へ、遅い月に照されて、ハッキリ映っているものがあります。
ハッと思って見直すと、紛れもない人間の生首。
「あっ」
お国は思わず声を立てました。
しかし、さすがは武家の女房で、生れ落ちるから躾みを教わっておりますから、そのうえ騒ぎ出すようなことはしません。