Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九)不死の霊薬

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme

Aozora Bunko

平次は手当り次第に女をつかまえて訊きましたが、驚きあわてているせいか、一人も満足な答をしてくれる者はありません。

その上、たった一方しか開いていない方へ雪崩打って行った女ども、一生懸命雨戸を開けようとしますが、どうした事か右も左も、雨戸はちょっとも動かないのです。誰かが、外から雨戸を釘付けにして、三方から火を放ったのでしょう。

「己れッ」

平次は煙に巻かれながら歯噛みをしました。

「お品さん」

ただ一つの手段は、お品に返事をして貰うことでした。

「お品さん」

声を限りに呼びましたが、女どもの死物狂いの騒ぎに消されて、返事があったところで聞えそうもありません。

「お品さん、――どこだい、お品さん」

一生懸命に澄ました平次の耳に、かすかに響くもの、その見当に飛んで行くと、極楽ごっこの看板にした大仏壇が一つ、その厳重に鎖した扉の中で、何やら物音がするようでもあります。

グイと扉を引開けると、石っころのように転げ出したのは雁字がらめのお品。

「あ、お品さん」

「親分」

平次はお品を担いで女どものひしめく正面の雨戸へ――。

三方から迫る焔は、綿煙を劈いて背を焦がすばかり。