Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九)不死の霊薬

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme

Aozora Bunko

八

「ヘエ――」

「曲者を追っかけても無駄だ、俺に少し考えがある。あの物干竿を外して、格子から一つ突っ込んで見るがいい」

「ヘエ――」

「あッ、跣足で出る奴があるものか、曲者を追っかけるんじゃあるまいし」

「ヘエ――」

徳三郎は少しマゴマゴしながら、それでも、庭口の物干竿をおろすと、お勝手口まで持って来て、格子の外から、屁ッピリ腰に構えました。

「不器用だなア、そんなこっちゃ人間は突けない。そうそう思い切り、その竿を突っ込んでみな」

「こうですか」

「あッ、とうとう、格子を突いてしまやがった。なんて構えだろう」

「親分、そう言ったって、あっしは槍は生れてから初めてですよ」

「まア、いい、どうせ曲者のように器用には行くまい。あッ、竿をそんな場所へ置いちゃ泥が付くだろう、物干へ返しておくんだ、そうそう」

そう言ううちにも平次は、手っ取り早くお静の傷口を洗って、用意の焼酎でしめした上、手拭を裂いてキリキリと結えてやりました。

八

平次の活動は、それから三日ばかり続きました。どこをどう歩いたかわかりませんが、朝暗いうちから出かけて帰るのは大抵夜更け、留守はお静と徳三郎と、お静の母親に頼んで、「万に一つも外へ顔を出すな、今度は命がないぞ――」