Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme
五
「どこへ?」
「阿部川町へ行って洗ってみる」
「そう来なくちゃ面白くない、――行きますとも、親分」
ガラッ八は平掌でピシャリと自分の額を叩きました。
「若くて綺麗な新造が一枚加わると、イヤにいきむから不思議さ、呆れた野郎だ」
平次は煙草入を腰に落しました。
「それほどでもないがね、親分、いい女形がなかった日にゃ、狂言にならないじゃありませんか」
「馬鹿野郎」
「へッ、お出でなすったね」
二人は雀色時の路地を出て、浅草の方へ急ぎました。
五
平次は阿部川町へ飛んで行くと、一気に何もかも調べてしまいました。
第一番にお礼の家へ行って、証文から手紙から、古い書類へ全部目を通し、その中の古いのを少しばかり借り出して、翌日には姫路藩のお留守居を訪ねました。
町方の御用聞にとって、大名屋敷は大苦手ですが、与力笹野新三郎の添書で、どうやらこうやら、老巧な用人に逢い、三十一年前成滝近江が永のお暇になった時の事情を詳しく聞き出しました。
「その事情は、詳しくは申し兼ねるが、国元で御用金が五千両ほど紛失したのだよ。成滝近江はそれで永のお暇になったが、芸子上がりの若い後添えをつれて、江戸へ行って繁昌しているということであった――人相は、背の高い方で立派な男で、武芸は大したこともなかったが、算数には明るかった、――左様左様、左の眉尻にかなり大きい