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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九)不死の霊薬

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme

Aozora Bunko

今晩は昵懇の顔触れだから、一番その命がけの隠し事を打ち明けて、三十年来の重荷をおろすとしましょうか」

こう言い出したのは、町内の裕福な浪人者藤枝蔵人という六十近い老人でした。

「そいつは是非承りましょう。藤枝様は、さぞ若い時罪をお作りになったことでしょう、――意気な隠し事などを背負って万一のことがあっては、浮ばれませんよ」

伊勢屋玉吉は、日頃藤枝蔵人に資本を融通して貰う関係があるので、本人は意識しないにしても、何となく御機嫌を取結ぶという調子がありました。

「こいつ、うっかり話も出来ないが、もう三十年も前の事だし、私も捨てても惜しいほどの命でもないから、今晩は思い切って話しましょう。――何を隠そう、この藤枝蔵人は、実は敵持なのですよ」

「ヘエ――」

敵討という言葉が、その頃どんなに刺戟的に響いたことか、人を害めれば戦場で起った殺傷でない限り、必ず敵討に狙われ、一生危険にさらされ通しの自分の生命を感じなければならない時代だったのです。

「ここにいられる四人だけなら大事ないが――誰も聞いちゃいないでしょうな」

藤枝蔵人はさすがに四方を見廻しました。

「誰もこの離屋には来ないことになっていますよ、母屋の方では、ちょうど晩飯の真っ最中のようだし、――おや、そこにいるのは誰だい」