Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme
「番頭はどうなるんだ」
「そのまま店にいて、支配をして貰います」
「だいぶ金や給料を預かってあるということだが」
「今朝みんな返してしまいました」
「大層気の早いことだな、番頭の方から欲しいとでも言ったのか」
「いえ、久太郎さんの指図で」
ここにもまた久太郎が意志を働かせております。
「いくら返したんだ」
「預かったのが百両、給料は二十両、それに利息を入れて、百三十両、私から心持だけの手当二十両を加えて、百五十両にしてやりました」
「久太郎は?」
「まだ何にも話をしませんが、いずれ暖簾でも分けることになりましょう」
「金があるのか」
「五百や三百は、私が出します」
金三郎の答には何のこだわりもありません。
それから、用助と久太郎に逢いましたが、いちいち金三郎の言う通りで、何の変ったところもありません。この家中の者は、主人のお釜が死んだためにいくらかずつ得をしていることだけは確かです。
平次はあきらめて両国へ、八五郎の後を追いました。広小路の葭簾小屋を覗くと、中は空っぽ、薄暗くなると引揚げて、浜町の家へ帰ることを確かめて、玄々斎の隠れ家へ辿り着いたのは、もうすっかり暮れてからでした。