Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme
ていたのです。
美しさも賢さも申分なく恵まれたお静は、平次の顔を見ると、ポッと顔を紅らめて立ち上がりましたが、それを抑えるように、
「まア、親分、よくいらっしゃいました」
次の間から母親が出て参ります。
「すっかり御無沙汰をしちゃった。お変りもないようで、こんな結構なことはねえ。ところで今日は少しお願いがあって来たんだが――、ちょうどいい塩梅だ、お静坊も一緒に聞いておくれ」
「まアまア、御用の多い身体を気の毒な。そう言って使いでも下されば、こっちから伺ったのに」
「とんでもねえ、年寄りを歩かせるようないい話じゃないんで――、実は」
平次は言いにくそうに頬を撫でました。
「…………」
「これは仲人から言って貰うのが順当だが、それでは俺の心持が済まねえ」
「…………」
母娘は黙って顔を見合せました。重大な意味のあるらしい、平次の真意を測り兼ねたのです。
「ざっくばらんに言ってしまえば、一日延しにしていた私とお静の祝言を、わけがあって、この月のうちに運びたいと思うんだが、どんなもんだろう」
「えッ、早いに越したことはありませんよ。私もお静も、親分がその気になって下さると、どんなに嬉しいかしれはしないが――」