Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme
新妻を攫わせるつもりの平次、祝言の席から誘拐されるつもりのお静、二人の気持を薄々読んだ客――この祝言は、まことに不思議なものでした。
どうせ裏店住まいの平次、智恵や侠気はあっても、金っ気などはろくにありません。それでも花嫁を迎える用意だけは一と通り調えて、借り物ながら屏風を廻し、島台を飾り、足の高い膳や、絹物らしい座蒲団、時節柄寄せ集め物の火鉢まで、どうやらこうやら揃いました。
二た間打っこ抜いた室が式場で、その裏が花嫁の支度部屋、長屋の者が集まって、目出たく三三九度が済むと、「高砂や――豆腐イ」と言った調子のが始まります。
紋付姿の平次も立派でしたが、それにも増して、お静の花嫁姿は鮮やかでした。このまま、お開きとなれば、何もかも無事に納まります。六人の花嫁を盗んだ曲者も、さすがに銭形の平次の嫁には手を付けられなかったのでしょう――か。
やがて花嫁は次の間へ下がりました。怪し気ながら、紋付を脱いで、色直しということになります。盃は幾巡りかして、さんざめく一座、誘拐も何も忘れてしまって、だいぶいい心持になって来ましたが、どうしたことか、しばらく経っても、お静の姿が見えません。