Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme
八
死骸を横たえております。
「しまったッ、こんな事なら、もう少し口を利かせるんだった」
と言ったところで追い付きません。
今度ばかりは銭形の平次ほどの者も、全く持て余してしまいました。
下町中の質屋という質屋、古物屋という古物屋は、子分の者を飛ばして詮索しましたが、暮からこっち、嫁入道具などを持ち込んだ者は一人もありません。
こんな空しい努力を続けているうち、たった一つ気の付いたことは、石原の利助と、ガラッ八が、平次とほぼ同じ調べ口で、あっちこっちを探し廻っているということだけでした。
八
平次は、お静にいろいろのことを言い含めておいたはずですが、不思議なことに、誘拐されたお静からは、何の合図もありません。
お静の襟や帯揚の中には、格子や雨戸の隙からでも投れるように、平次宛に書いた手紙が、幾本も用意してあったはずですが、どんな場所に閉じ籠められたか、そんなものは、一つも平次の手許に届かなかったのです。
そればかりでなく、お静の帯の間や、懐の中には小さい竹笛が幾つか潜めてあるはずです。その笛を引っ切りなしに吹いてくれさえすれば、平次の子分達が聞込まないまでも、近所の人が変に思って、井戸端の噂ぐらいに上らないはずはありません。