Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九)不死の霊薬

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme

Aozora Bunko

「親分、――この中には明日大坂へ積出す千両箱が三つ、外にいろいろ大切な品がありますが、どうしたものでしょう」

又左衛門は平次の冷淡さが気に入らない様子でした。

「あっしには工夫がありません。旦那の気の済むようになすっちゃどうです」

「家へ持って来て、寝ず番でも付けようと思いますが」

「…………」

平次は点頭いて見せました。三千両と言えばどんな大身代にしても容易ならぬ大金です。

「とんだお骨折りでございました。お茶でも入れますから――」

又左衛門に案内されると、平次は遠慮する様子もなく浪花屋の奥へ通りました。

大番頭の佐兵衛は六十を越した老人で、忠実一点張りの男、本店からの付け人で、謂わば主人の又左衛門の後見役でもあったのです。

二番番頭の和助は三十二三の好い男、少し臆病で柔和すぎるきらいはありますが、強か者の又左衛門とは案外馬が合って、佐兵衛をそっちのけに、相談相手にもなり、遊びの付き合いもするといった人柄でした。

あとは丁稚小僧ばかり、一期半期の奉公人で取立てて言うほどの人間はありません。

又左衛門は三年前に本妻が死んで、子供のない淋しさを慰めるために、長く外に囲っていた妾のお妻を家へ入れました。