Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九)不死の霊薬

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme

Aozora Bunko

平次の手で蓋をはねると、

「あッ」

中から出たのは、全く手付かずの五千両の小判、折から、町並の上に昇った朝日に照らされて、眼もくらむばかり。

「こいつは中根様のお嬢さんの手柄になさるがいい。大急ぎで勘定奉行に運ばせましょう。文三郎さんは、お雪さんと一緒に行って、何にも言わずに納めて来なさることだ」

「親分」

お雪と文三郎は、顔を挙げることも出来ないほど泣いておりました。

「八、来い。退屈が吹っ飛んで腹が減ったろう」

平次はクルリとその激動の情景に背を向けました。後ろからスタスタとついて行くのは、恐ろしく腹の減ったくせに、胸が一杯になっている八五郎です。

「親分」

「何だい」

「好い心持だね」

「滅多に朝起きしないからだよ」

平次の足は次第に早くなります。昨夜一晩寝もやらぬ女房のお静と香ばしい味噌汁が待っていることを考えたのでしょう。