Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme
四人ともどうして選り抜いたか、採りたての果物のような新鮮な娘で、そのうちの一人、すらりと背の高いのは、桃色真珠のような皮膚と、漆を点じたような瞳を持った少女が、八五郎の注意をグイと掴みました。
こんな清らかな娘が、楽しそうにいそいそと働いているところに、不正も暴悪もあろうはずはないと思わせたのです。
「皆の衆、今日は新しい方も多勢見えられたようだ、格別天霊様の御加護があるように、御祈祷申上げよう。ズイと前へ進みなされ」
二三十人の男女を青畳の上に坐らせて、さて静かな祈祷が始まりました。
神体は、供物と花に隠れて見えませんが、七壇の白木の台には、十六の灯が煌々と照り渡って、縁から射し込む美しい夕陽と対照し、甘美な香煙がゆらゆらとこめる中に、九郎次先達の祈祷が始まるのです。
それは八五郎が今まで聞いた、どんな経文よりも快適な響を持ったものでした。祈祷の続くうち、どこからともなく緩やかな楽の音が響いて、若い女の和讃が、静かに静かに聞えて来るのでした。
音楽も和讃も、かつて八五郎が聞いたことのあるような種類のものではありません。笛や三味線や太鼓といった、浮かれ調子のアルコールの匂いのするものでないばかりでなく、どうかしたら、八五郎などは、その楽器さえ見たことがなかったのでしょう。