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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九)不死の霊薬

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme

Aozora Bunko

四

恐ろしく簡素な部屋が幾つかあって、それに通される信者は、もう一度斎戒をすませ、いちいち先達の祝福を受けて黄金の杯に霊酒を一杯ずつ受けるのでした。

「これが、仙家の不死の霊薬でござるよ。この一杯の霊酒を服すると、諸々の罪障を解脱し、我等の魂は、汚い血肉を捨てて、生きながら浄土の法悦を享ける。この霊酒を毎日毎夜服する者は、不老不死の歓びを受けることは疑いもない。そのためには、天霊様に一身をささげ、五慾を捨てて、清浄な身にならなければならぬ」

九郎次はそんな事を言いながら、一杯の霊酒を一人一人に勧めるのです。

ガラッ八は何の躊躇もなく霊酒の杯を傾けました。油のような酒ですが、異様な香気があって、そんなにまずくはありません。

どこからともなく、また楽の音が湧いて、教えられた呪文をくり返しくり返し称えているうちに、大地の底へ引込まれるような、恐ろしい眠気が催します。ガラッ八は任せ切った心持でその不可抗な眠気に身を委ねました。

四

「驚いたの何のって、親分」

ガラッ八はここまで話して妙に擽ったい思い出し笑いをしました。

「それからどうした、八」

平次はこの話のうちから、何かしら、重大なものと、不思議な圧迫を感じていたのです。