Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme
「何刻経ったか知れねえが、眼を覚してみると――親分の前だが、あれが本当の極楽というものかも知れませんよ」
「夢でも見たのかい」
「夢じゃありませんよ、抓りゃ痛いし、食った物は腹にたまっている」
ガラッ八はその歓楽境を不器用な舌で語るのです。
方何町とも知れぬ広大な屋敷内、大きな泉水があって、船が泛んで、その船の中に、結構な女が五六人、一人は歌い、一人は踊り、三人は鳴物を受持ち、そして一番年増がガラッ八に膝枕を貸していたというのです。
歓楽の中に眼を覚したガラッ八は、朱塗の欄干をめぐらした廻廊に船をつけさせ、女達の手車で二階の座敷の上に導かれました。そこに並んだのは、美酒と佳肴と数十基とも知れぬ銀燭と、そして、十二三から二十五六までの一粒選りの美女が二十人ばかり。
「そいつは皆んな江戸言葉かい」
「里言葉を使わないのが不思議なくらいでしたよ、身扮は町人風武家風、いろいろあるが、間違いもなく日本人で――」
「何を言やがる」
ガラッ八の説明を聞いただけでも、その歓楽が並大抵のものではありません。
「そのうちに夜が更けて、酒にも馳走にも飽き、思わず横になると、小女の一人が水を一杯持って来てくれた。