Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十三)青い帯
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.244 Zeichen · 231 Bildschirme
銭形平次捕物控
一
一
「親分、良い陽気じゃありませんか。少し出かけてみちゃどうです」
ガラッ八の八五郎が木戸の外から風の悪い古金買いのような恰好で、こう覗いているのでした。
「なんだ八か。そんなところから顎なんか突き出さずに、表から廻って入って来い」
銭形平次は、来客と対談中の身体を捻って、大きく手招ぎました。
「顎――ですかね、へッ、へッ」
ガラッ八は首を引っ込めて、不平らしく長い顎をブルンと撫で廻します。
「木戸の上へ載っかったのは、まさか鼻の頭じゃあるめえ。体裁振らずに、さっさと大玄関から入って来るがいい」
「大玄関と来たぜ、へッ、へッ、親分もいい気のものだ。敷台に隣の赤犬が寝そべっているんだが蹴飛ばしても喰い付きゃしませんか」
「ていねいに挨拶をして通るんだよ。犬だって見境があらア、平常乱暴なことをするから、お前の顔を見ると唸るじゃないか。――あの通りだよ、三つ股の兄哥。目白までつれて行ったところで、大した役には立つまい」
平次は客を見て苦笑するのです。
客というのは、目白台で睨みを利かしている顔の古い御用聞で、三つ股の源吉という中年者ですが手に余るほどの大事件を背負い込んで、町方役人からさんざんに油を絞られ、フト二三年前、鬼子母神様境内の茶店の娘、お菊殺しの難事件を解決した(「玉の輿の呪い」