Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十三)青い帯
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.244 Zeichen · 231 Bildschirme
足ばかりが無暗に早くなります。役目は役目ながら、少しでも早く灯のある両国へ出たい本能にさいなまれていたのでしょう。
「おや?」
ガラッ八はギョッとして立止まりました。夜気を圧する凄まじい気合と共に、人の悲鳴が聞えたように思ったのです。
臆病風は一ぺんに吹飛んでしまいました。猛烈な闘争心が、武者顫いになって八五郎の五体を走ると、役目柄の勇気が、勃然として奮い起ります。
「野郎ッ」
闇を透かして見ると、わずか十歩先に、何やら蠢くもの。――ガラッ八は次の瞬間十手と身体を一緒に叩きつけておりました。
猛烈な格闘が始まりました。曲者は匕首を持っているらしく、ガラッ八の脇と肩を劈きましたが、ガラッ八は巧みに防いで、三度目には十手に絡んで得物をハネ飛ばし、自慢の力でギューと押付けてしまったのです。
「八、捕ったか」
後ろから声を掛けたのは、心配して引返して来た平次でした。
「親分、今縛り上げますよ。弱い辻斬野郎で」
八五郎はすっかり良い心持です。
「待ちな、俺は灯を借りて来る。傍に死骸があるようだから動いちゃならねエ」
平次は浅草橋の番所まで飛んで行くと、ありたけの提灯と二三人の人手を駆り出して、もとの柳原に引返しました。