Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十三)青い帯
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.244 Zeichen · 231 Bildschirme
朝顔なんざ、盥ほどに咲かせたって、公方様から褒美が出るわけでもなんでもねエ。それより両国から代地へかけては銭形の親分の縄張内ですぜ」
「十手捕縄に縄張があるものか、放っておけ」
「でもね、親分」
「せっかく三輪の兄哥が手柄にしているなら、それでいいじゃないか」
平次はてんで相手にもしなかったのです。
が、事件は思わぬきっかけから、新しい発展を見せて、その日のうちに、銭形平次が出馬することになりました。
「あの、あの」
平次の女房のお静が、濡れた手を拭き拭きお勝手から顔を持って来ました。いつまで経っても娘らしさを失わない、優しくも可憐な女房振りですが、それだけに、御用のことに口を容れるのを、ひどく平次が嫌うので、何か人に頼まれた余儀ないことでもあると、こう言ったおどおどした調子になるお静だったのです。
「なんだえ」
「あの、お秀さんがちょっとお願いがあるんですって」
「お秀さん?」
「代地のお秀さん――船宿の――」
「来たよ、親分」
ガラッ八は素っ頓狂な声を出しました。
「…………」
平次は黙り込んでしまいました。お静が水茶屋に奉公している頃の顔馴染には相違ありませんが、こういった肌合いの女――金が有り余って、意気とか通とかを持薬にしている、遊芸の外に生活興味のない人間と付き合うのを、平次は決して喜んではいなかったのです。