Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十三)青い帯
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.244 Zeichen · 231 Bildschirme
二
「虐たらしいことをするじゃないか。殺す相手にことを欠いて、こんなに若くて綺麗なのを――」
金六は口惜しそうに言いながら、娘の死骸に布を掛けてやります。
「傷は後ろだね」
「左肩胛骨の下、短刀で深くやられている。一とたまりもなかったろうよ」
「どこでやられたんだ」
「三十三間堂の裏さ。――ゆうべ出たっきり一と晩帰らなかったそうだ。今朝になって往来の人が騒ぎ始めたんだ」
そう言いながら金六は自分の話の確実性を保証するように、泣きじゃくりながらうなずく母親のお組を顧みるのでした。
「一番先に見付けたのは?」
「それが解らないのさ。何しろ人通りも野次馬も多い場所だから」
「ゆうべ何の用事があって出かけたんだ」
平次はなおも突っ込みました。
「呼出しが掛ったらしいんだよ」
「どこから、――誰か手紙でも持って来たのか」
「それが解らないから不思議さ。ゆうべは珍しく客もなかったそうだし、使い屋も、人も何にも来ないっていうんだ。ね、それに違いあるまい」
「ハ、ハイ」
お組は涙を押し拭いながらうなずきました。
「月はなかったはずだし、あの辺は淋しいから、若い女一人で行く場所じゃねエ。よくよくの用事か、でなきゃ――」