Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十三)青い帯

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.244 Zeichen · 231 Bildschirme

Aozora Bunko

何かこう虚無的になった捨鉢な諦めを感じさせる男です。

「そのお由良にいつお逢いになりました」

「ゆうべ逢ったよ」

「えッ?」

鉄之助の言葉はあまりに予想外です。

「ゆうべ逢ったのが、そんなに不思議かえ」

「どこでお逢いになりました」

「戌刻(八時)過ぎに、たった一人でここへやって来たよ――もっとも、お由良には言わないが、誰か跟いて来て外で見張っているようだったが、――俺のところへ来たのは初めてじゃない。時々そんなことをする女だったよ。昨夜は久し振りだから少し驚いたが――もっとも用事もあった」

「どんな用事で?」

「近いうちに、伊勢屋へ嫁入りすることになったから、その心算で――という丁寧な挨拶だ。少しは小癪に障ったが、起請を取交したわけでも、夫婦約束をしたわけでもないから、文句の言いようはない。正直にお祝いを申上げて帰って貰ったのさ。これが武士のたしなみというものだ、ハッハッ」

洞ろな笑いがケラケラと響きます。

「それっきりで」

「残念ながらそれっきりだよ――お由良という女は、そういった女だ。今までいろいろの男と付き合って、さんざん良い心持に自惚れさせているから、いざ嫁入りとなると、後の祟りのないように、自分でいちいち始末を付けて歩いたのさ。