Japanische Klassiker mit Furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 170.664 Zeichen · 341 Bildschirme
その代り味はなかなか結構で上等の御馳走にしてありますが料理法が悪いと身体を害します。殊に半煮の物を食べるのと鮮しい肉を料理するのが一番悪うございます。西洋料理では猪の肉を一週間以上置かなければ決して料理に使いません」小山の妻君「一週間も置いたら肉が腐りは致しませんか」お登和嬢「一週間置いて腐るような暖い季節には猪を食べません。冬の寒い時ばかりに限ります。それも上等にするとブランデーへ漬けておいてそれから料理します」妻君「ナゼ鮮しい肉は毒分が強いのでしょう」お登和嬢「私にも委しい事は解りませんが猪は大層好んで蛇を食べるそうです。殊に蝮蛇は猪の御馳走で暖い時分には蝮蛇ばかり捜して歩くそうです。猪ばかりでありません。蛇を食物とする動物は何でも肉の中に同じような強い刺撃性を持っています。鳥で申せば雉と山鳥は蛇を食べますから雉と山鳥は冬の寒い時に殺してからやっぱり一週間の後でなければ食用になりません。雉や山鳥の肉も猪の肉と同じように腫物や疵口は膿を持たせます。母親が雉の肉を食べると翌日乳呑児の顔へ発疹が出来るという事はよく聞いております。魚でも鮭と鱒と大きなと渓間の鯉は蛇を食べますから鮭や鱒を食べると三年過ぎた古疵が再発すると申す位で腫物や疵には大毒です。