Japanische Klassiker mit Furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 170.664 Zeichen · 341 Bildschirme
第百五 挽肉のビフテキ
病人料理には牛肉の中でも一番柔い部分即ち腰のランという処なぞが適当です。それも屠りたての新しい肉ではいけません。ちょうど好い食べ頃に弛んだ肉で脂や筋のない処を買ってそれを先ず肉挽器械へかけて一度挽きます。挽いて出た肉をまたその器械へかけてモー一度挽き、丁寧にすれば三度挽くと肉が極く細かになって殆ど舌へも歯へも障りません。よく世間では肉を俎板へ載せて庖丁でトントン叩いて細かくする人がありますけれどもあれは俎板の木屑が肉へ混って病人に良くありません。今のように肉挽器械で二度も三度も挽くのに限ります。さてこうした肉は色々な料理になりますからその製法を述べましょう。
第百五 挽肉のビフテキ は前の挽肉が一斤ほどありましたらばそれへ塩を振かけて玉葱の小さいのを一つ山葵卸しで擦り込んで別に薄く切ったパンを水へつけて絞って中身ばかりを揉み込みます。そこで肉と玉葱とパンをよく捏ね混ぜて五つ位に別けますが一つ一つ手で丸めて平たく押して饅頭のようなものを拵えます。それからフライ鍋へバターを敷いて今の物を狐色になるまで焼きます。こればかりで食べると少しポソ付きますから肉を出した跡で鍋の中へスープを大匙一杯注して塩で味をつけてそれをビフテキの上へかけます。