Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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くいどうらく

食道楽

村井 弦斎

Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 170.664 Zeichen · 341 Bildschirme

Aozora Bunko

第三百九 パン種

お登和嬢「さようです。西洋の料理学校で煮物の事を教授する時には必ず物の煮えるという原理から教えるので料理法の初歩に水は水平線上で二百十二度が沸騰点、六百尺の高さを加えるごとに一度ずつ減ずるとありますから一万二千尺の富士山では二十度だけ沸騰点が低くなる訳です。富士山の上は例外ですけれども東京で物を煮るのと信州の軽井沢で物を煮るのとは寒暖計で四、五度ほどの相違が出来ましょう。カステラのホンザーを拵えるのも東京と札幌辺とは同じ温度の日でも空気の湿度の差でよほど工合が違わなければなりません。気候と料理の関係は大切なものだと申しますが私なんぞはまだ一向委しい事を存じません。これから追々勉強して覚えるつもりです」と嬢の深く謙遜するに小山の妻君「貴嬢位よく御存知ならモー沢山でありませんか」お登和嬢「どう致しまして。西洋の料理学校で料理の初歩に教える原理さえ私はまだよく存じませんもの。それで料理が出来るなんぞと嗚呼がましい事は申されません。これから追々稽古致しましょう」と何人も物を学ぶ時はこの覚悟なかるべからず。

第三百九 パン種

学業の進歩するとせざるとは平生の覚悟如何にあり。