Japanische Klassiker mit Furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 170.664 Zeichen · 341 Bildschirme
自分で書く時は誰に向っても簡便な文字で押通す事も出来るがそれを一々知っていなければ人の文章を読む事が出来ない。殊に困難を感ずるのは今のいわゆる自称文学者とか自称美文家とかいう先生たちの文章だ。僕ら如き専門の文学者でさえ振仮名を宛にしなければ読む事の出来ない文字が沢山ある。解りやすい文字で書けば誰にでも読めるものをわざわざむずかしい文字を並べて無理な振仮名をつけてある。振仮名を読んでみてああなるほどこう読ませるのかと漸く合点するような場合がある。意味を現わすのが文字の本能であるべきにわざわざ意味の現われないように書いてある。モー一つは聞いて解らない文字が沢山ある。譬えば新体詩なんぞに汝と書いてナと読ませてナの俤とかナの姿とか読ませる。文字を見ずにただ聞くと菜の花が幽霊になったようだ。少年時代に散々困難した上大きくなって他人の意思を知ろうとするとまたまたこんな困難を経なければならん。僕の如きはなるたけ人に解りやすく文章を書こうと思うのにわざわざ解りにくく書きたがる人がある。言語文章は意思を伝える道具だからなるたけ透明で解りやすくなければならん。硝子箱へ物を入れたように中の品物が見え透かねばならん。