Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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くいどうらく

食道楽

村井 弦斎

Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 170.664 Zeichen · 341 Bildschirme

Aozora Bunko

西洋風の花飾も完全無欠とは言えないが日本風の活花とは主とする所が違う。西洋風のは重に色の配合を主としてあって美しい花の色で人の眼を悦ばしめる。日本風の活花は形を主としてあって形の巧拙で人の心に趣味を感ぜしめる。時と場合によっては形を主とした方が趣味の深い事もあろうが多数の人の食会する食卓の上の飾りとしては形の力到底色の力に及ばんね。色の光線は遠くに達してその範囲が広い。譬えば遠方の山に桜が一本美しく咲いていても美の光りは観る者の眼に映ずる。同じ場所に同じ大きさの松があって枝振が如何に面白くとも数歩の近くへ寄らなければその奇を賞する事が出来ない。それに色の美は直ちに人の眼に映ずる。形の奇は判断力を費さざればその奇を賞する事が出来ん。食卓の上において外の事へ判断力を費す如きはかえって人の心を労せしめるのだ。外の場合はともかく、食卓の上は活花よりむしろ花の色を美しく配合した方が適当するだろう。一万円の価ある万年青を一つ置いてあっても遠方からは見えず趣味のない人に価値も分らんからね」若紳士「それでは趣味が人間に不必要であろうか。満座の人が高尚な趣味を持っていたらば無趣味なものより趣味のある物が悦ばれるだろう」