Japanische Klassiker mit Furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 170.664 Zeichen · 341 Bildschirme
第二百八十七 季節の食物
それから段々東京湾の口へ落ちて行って房州へ六分相州へ四分下ると申しますが相州へ下った魚は浦賀湾の温かい処で冬籠りを致します。その時分には少しも餌を食べません。お腹の中の汚物は皆んな吐いてしまって綺麗なものです。それに身体は充分脂が乗って美味しくなっていますし、その魚を浦賀では昔し一網千両の馬鹿網といって網で一度に沢山取たそうです。そういうお魚でなければ土蔵焼にしても美味しくありません。東京辺で取れたイナや鰡はとても腸ごと食べられません」と一々説明の委しきに小山の妻君感心し「ホントに貴嬢は何でもよく御存知ですねー」
○イナや鰡を西洋料理にするはフライに用いてもよし。またグレー即ち網焼にも用い、これは魚を背開きにして塩胡椒とサラダ油をかけて十分間置き焼く時塩を少し振かけバターを塗りて強火にて焼くなり。かくすれば味好し。
第二百八十七 季節の食物
魚の料理も季節により土地によりて各々その特長あり。小山の妻君頻に感心し「お登和さん、そう伺ってみるとお魚ばかりではありませんね、お野菜でも肉類でもそういう工合がありましょうね」お登和嬢「ありますとも、同じお魚でもワラサやワカナゴの時は夏の方が味も好くって鰤になると寒中が美味いとしてあります。