Japanische Klassiker mit Furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 170.664 Zeichen · 341 Bildschirme
やっぱり家庭教育の取調をなすってもよし。料理法の研究をなすってもよし。どの口も直ぐ出来ますよ。ホントにいっその事そうなさいましな」と段々話しが先走りする。お登和嬢あまりにこの話を進めらるるが厭わしく「私はモーモー決して先の事は何とも考えません。私なんぞが浅果な智恵を以て未来の事を考えても決して解るものでないそうですからかえって考えない方が楽でございますよ。ネー奥さん、人は誰でも先の事を考えたがりますけれども滅多に物事が考え通りになった例がありません。それは考えるのが悪いのでない、まだ考えるだけの智識と経験を蓄えないでただ無闇に考えるからだとよく兄が申しますよ。譬えば海岸へ出て海の水の穏で広々した処を見ると誰でも好い心持になって海の真中へ出てみたいような気がします。小舟に乗って海の中へ出ると海岸で眺めた時よりは案外に波のウネリが大きくって舟は揺れる、心持が悪くなる、オヤオヤこんなつもりではなかったと忽ち怖くなって来る処へ風が起り雨が降って海が荒れ出して来ると舟が今にも顛覆りはしないかと思って生きた心持のしないような事もあります。現に私も国にいる時分折々海へ出てそんな目に逢った事もございます。