Japanische Klassiker mit Furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 170.664 Zeichen · 341 Bildschirme
第二百九十五 小言の愉快
第二百九十五 小言の愉快
小山の妻君「ネーお登和さん、その時私は生涯忘れられないほど愉快を感じた事があります。それは私が実家の父に叱られましたので、その叱られたのが何よりの愉快です。以前小一年ばかり借金返しに苦しんでいる時分には私も折々実家へ参って母に愚痴を申した事もあります。それを父がよく知っておりましてある時私に申しますには和女ほど不心得なものはない、小山さんが他人の借金を背負って苦しんでいる時にナゼ折々家へ来て愚痴を漏した、愚痴を漏すべき事がない、本来なら小山さんのありがたい事を感じてその身の幸福を悟らなければならない、もしも小山さんが自分の責任を遁れるような工風をするとかあるいは和女を頼で家へ金を借りに来るような意気地のない人であったら、それこそ和女が不平を起しても仕方がないが小山さんの仕方は実に男らしい、自分の責任は自分で果すという立派な覚悟のある人物だ、友達に対してすらその通りであるから妻に対してはなおその上の覚悟を持ているだろう、即ち人の良人となってはあくまでも良人たるべき責任を尽す人だ、してみると和女の身に取ってこれほどありがたい幸福な事はないでないか、世中に何が役に立たんといって何事にも自分の責任を遁れたがる人位腑甲斐ないものはない、外へ対して責任を遁れたがる人は我が家庭に対しても主人