Japanische Klassiker mit Furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 170.664 Zeichen · 341 Bildschirme
お登和嬢「イイエイイエ、その俗説が当になりません。かえってそんな事をいうためにこれは縦裂がするから大丈夫だなんぞといって大毒なものを食べて死ぬ人があります。現在私が幾度も試してみました菌の中で、一番の激毒を持っている蠅取茸というものがあります。東海道辺の松林には折々出ていますが大きな菌です。それを採て火の上で炙ると笠や茎から液が出て一種の匂を放ちます。それをお皿の上に逆さにして笠の裏を出して砂糖を少し振りかけておくと蠅がその匂いを嗅ぎつけて沢山聚って来てその液を嘗めます。五分間も嘗めているとコロリコロリその場で斃れて見ている内に四十も五十も蠅が取れます。大磯や平塚辺には折々あるそうですから今度あの辺へ遊びにいらしったら試して御覧なさい。面白く蠅が取れます。しかるにその菌は立派に縦裂もしますし、私は銀貨と一緒に長く煮てみましたが少しも黒くなりません。ある時鶏がその死んだ蠅を四十も五十も一度に食べてしまいましたから、オヤオヤ大変だ今にあの鶏も死ぬだろうと思っていますと鶏は平気なもので翌日になっても何ともありません。そこで疑が起りました。蠅には毒になっても鶏には毒にならないのか、それとも蠅を殺す分量では鶏を殺すまでに至らないのかとも思いました。