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Japanische Klassiker mit Furigana

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おうごんかめん

黄金仮面

江戸川 乱歩

Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme

Aozora Bunko

「誰か来て下さい。賊だ、賊だ」

青山は怪物のあとを追いながら、家中に響き渡る声で叫んだ。

部屋部屋から、主人の大鳥氏を始め、書生などが、ドヤドヤと現われたが、ピストル片手に、飛ぶ様に走る金色の怪物を見ると、皆々怖け立って、誰一人その行手をさえぎる者もなく、賊は無人の境を行くが如く、遂に門外へ消えてしまった。

負けぬ気の青山は、それでも、たった一人で賊を追って、玄関から走り出したが、彼が門に達するまでに、突如響き渡るエンジンの音、賊はちゃんと自動車を待たせて置いたのだ。

青山が運転手を呼んで、賊を追跡する為に、車の用意を頼む頃には、怪物の自動車は、已に遠く遠く走り去っていた。

黄金仮面は不二子誘拐の目的を果さず、身を以て逃れた。不二子は安全なのだ。併し父大鳥氏は、賊を追うことは兎も角として、先ず愛嬢の安否を確めないではいられぬ。

彼は惶しく、さい前賊の逃げ出した部屋へ駈けつけた。

ところが、行って見ると、これはどうしたことだ。肝腎の見張り役、乳母のお豊は、さも呑気らしく、椅子に凭れてコクリコクリ居眠りをしているではないか。

「コレ、婆や、婆や。どうしたのだ」