Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうごんかめん

黄金仮面

江戸川 乱歩

Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme

Aozora Bunko

尾張町を曲って、グングン歩いて行くので、どこか当てがあるのかと思っていると、呑気らしく日比谷公園に入った。そして、何の為かは分らぬが、花壇や運動場などを、グルグル廻り歩く。散歩をしているのか、それとも尾行に気づいて、からかっているのか、どちらにもとれる。だが、尾行者はそんなことにお構いなく、あくまで執拗だ。

一時間も引っぱり廻されて、やっと日比谷公園と縁が切れた。今度こそ隠れ家かと意気込んでついて行くと、大男はつい公園の前の帝国ホテルへ姿を消してしまった。ではホテルの泊り客であったのか。併し、ホテルを贓品の隠し場所にしているとは思われぬが。

「君、一寸尋ねるが、今ここを這入った西洋人は泊り客かね」

波越警部は玄関のボーイを捕えて尋ねて見た。

「エエ、そうですが」

中年のボーイが、妙な顔をして、ジロジロと警部を眺める。無理もない、彼の服装はどう見ても集金人以上には踏めぬのだ。

波越氏もそれに気づいて、

「私は警視庁のものだが、一寸支配人に取次いでくれ給え」

と、ポケットから名刺を出した。

東京市民で波越鬼警部の名を知らぬものはない。ボーイは名刺を見ると、急に鄭重になって、早速支配人室へ案内してくれた。